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出版と社会

によって 小尾 俊人

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内容(「BOOK」データベースより) 関東大震災により大量の本が消滅したとき、創造力あふれる出版人たちが登場した。ここから、出版戦国時代がはじまる。豊かな編集経験をもとに綴る激動の昭和出版史。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 小尾/俊人 大正11年、長野県に生まれる。昭和15年、十九歳で上京、羽田書店に入る。18年12月、学徒出陣で入隊、暁部隊(通信隊)に属す。敗戦後、山崎六郎、清水丈男とともに「みすず書房」を創業。以来、編集責任者を四十五年つとめ、平成2年に退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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ただ今現在の出版界に身を置く編集者がもし、過去にも、また未来にも言論の自由があると錯覚し、歴史に学ぶことなく安穏と日々を過ごしているとすれば、彼らは知らず知らずのうちに、思わぬ社会の害悪となるだろう。(現になっているという気もする)本書には、出版業という「金儲け」の手段が「金儲け」そのものを目的としなかった時代の、情熱と信念と矜恃をもって奔走した編集者が数多く登場する。インターネットはもちろん、テレビも無かった時代に、人々は「新聞広告」によって、新しい娯楽を心待ちにした。円本ブームを巻き起こした各社の新聞広告合戦は、その出稿量にも驚かされるが、絶大な効果にも驚かされる。「○○文学全集」と銘打った、今では学校の図書館にもないようなシリーズを、何十万という人々が予約購入したのである。このブームはまさに、ある「価値」を届けたいという編集者(出版者)の意図と、それを渇望する読者の思いがぶつかったところに生じた。今では、四六判並製・160ページ〜256ページの本を、あるいは名義借りの著者の新書を(ライターに書かせて)、いかに安くつくり多く売るか、に腐心するのが単行本の編集者の仕事である。「読みやすく、わかりやすく、見開きでパッと頭に入るように」「読者に負担のかからない」ゴミのような本を際限なくつくる。当然、編集者は儲けの多寡によって評価される。昨今の編集者に本書を読了する知力・意欲・志・物理的時間があるかどうかは甚だ疑問だが、少なくとも「感動」とか「震撼」とか「渾身」とか、「魂を揺さぶる」というキャッチコピーは、こういう本のためにあるのだと認識してもらいたい。本書のたとえ1ページにも心を動かされない編集者には、編集者たる資格はない。

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